かゆみ止めの目薬が効かないと患者さんから言われることがありますので説明します。目のかゆみはほとんどの場合アレルギーが原因です。アレルギーに効く目薬にはいろいろな種類があって、それぞれ特徴があり、効果の出方にも差がありますので、それぞれの目薬について説明します。
まず最もよく使われるものが抗アレルギー点眼薬です。これは副作用がほとんどありませんが、効果が出るまでに時間がかかることと、効果自体がやや弱いという特徴があります。例えば、すでにかゆみの症状のある方がその目薬を1日4回でさし続けると、はやくて2日目から、遅い場合は1週間以上かかって効果が出ることもあります。基本的にはかゆみ予防の目薬ですので、そのように時間がかかります。気長にさし続けることが重要です。ちなみに、かゆみがとても強いときは、まぶたをアイスノンなどで冷やすことが最も即効性があります。
次に効果が強いのが軽いステロイド薬です。ステロイドはこのアレルギーを起こすしくみを全体的におさえる働きがあり、かゆみをおさえてくれます。ある程度速効性もあり便利なのですが、眼圧が上がるという副作用があり、続けて使うことはおすすめできません。ですので、抗アレルギー薬をしばらくさしてもかゆみがよくならない場合にのみ使うようにするのがおすすめです。
さらに弱いステロイド薬をさしてもかゆみが取れない場合には,さらに効果の強いステロイド薬があります。これはよく効きますが,続けて使うと高い割合で眼圧が上がって緑内障になったり,白内障になったりすることがあるので注意が必要です。
これらの目薬はさしている時だけ効果がある(対症療法)ですので、止めてしまえばまたかゆみがぶり返しますが、それについては次回のブログで説明します。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善