今回はメヤニについて説明します。まずメヤニの成分には、
1、目の表面の結膜(白目)や角膜(黒目)の細胞から出た老廃物や分泌物、細胞の死がいなど
2、目の表面に飛んできたほこり
3、炎症をおこした時の炎症細胞や滲出液(しみ出した液)
4、目の表面で増殖した微生物の死がい
などがあります。
1と2は目が炎症を起こさなくても出てくるメヤニで、皮膚のあかと同じようなもので、メヤニ自体が悪いということではありません。朝起きた時に目のふちに少量のメヤニがあるのは正常な状態です。
それに対して,3と4は目に炎症が起こった場合のメヤニで、何らかの対処が必要になります。
ではメヤニが普通よりも多く出た場合に考えられるよくある病気について、メヤニ以外の症状から考えて見ましょう。
まず、目のかゆみがある場合は、アレルギー性結膜炎によるメヤニの可能性があります。かゆみがなく、強い充血がある場合は、流行性角結膜炎(人にうつるので学校は出席停止)の可能性があります。目が乾く場合は、ドライアイによるメヤニの可能性があります。ドライアイでは、1や2により生じたメヤニが洗い流されにくくなっているために、メヤニが増えたように感じられます。色のついたメヤニは軽い細菌性結膜炎の可能性があります。子供が風邪をひいて体調が悪い場合や、高齢者によく見かけられます。いつもよりメヤニが増えて、メヤニ以外の症状がある場合は、眼科を受診してください。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善