
1,当院で治療が可能な小児の目の病気
目のピントの異常(近視、乱視、遠視)に対して、必要に応じてメガネ処方を行います。
ものもらい、めいぼの治療は、目薬が中心になります。まれに薬で治らない場合は、手術が必要になりますが、じっとしていられない子供さんは総合病院に紹介することもあります。
結膜炎の治療で、もっとも大事なことは診断をしっかりつけることです。結膜炎にもいろいろな種類があり、流行性角結膜炎(アデノウイルス)は登園や登校が禁止されている学校感染症ですので、診断機器により正確に診断します。
涙の異常の原因にもいろいろな病気がありますが、生後すぐから涙とメヤニが出る先天性鼻涙管閉塞に対しての処置は当院で可能です。
斜視・弱視にもいろいろな原因があり、そのうち屈折性斜視・弱視は当院でメガネによる治療が可能です。
子供さんの逆まつ毛の手術は当院では行っておらず、手術が必要な場合は専門施設に紹介しております。
2、泣かせない検査・診察
眼科では、子供さんが泣いてしまうと、多くの検査や診察ができなくなってしまいます。そのため、子供さんが怖がらないようにする様々な工夫をしております。押さえつけての検査・診察は、まれに子供さんのトラウマになってしまうこともあり、最終手段と考え、なるべくしないようにしております。発達障害が疑われる子供さんに対しても、柔軟な対応を心がけております。
3、症状を訴えない重篤な目の病気のスクリーニング
子供さんは自分で症状を訴えないことがほとんどですので、別の症状で来院された場合でも、重篤な目の病気の可能性がまれにあります。スポットビジョンスクリーナー(少し離れた距離から機械の光を見るだけで目の病気がある程度判断できる)やレッドリフレックス法(光を目に当てて反射をみる方法)でのスクリーニング検査による目の病気の早期発見につとめております。
4、専門医療機関との連携
小児眼科の病気は、専門性が高いものが多く、クリニックで対処できないことも多くあります。なるべく早い段階で、専門医の受診が必要か、当院で対応可能かを判断し、必要があれば適切な時期に専門医を紹介するようにしております。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善