眼科に受診された場合、今は見えるけど、時々見えにくくなることがある、スマホや本、テレビなどを見続けたり、運転中にだんだん見えにくくなるなどと言われることがよくありますので、説明します。
まず、まれですが重大な病気の可能性がある場合です。一時的に両目の視野の同じ部分(まれに違う部分)が欠けて見える場合や、一時的に片目が真っ暗(まれに真っ白と表現される場合もあり)になる一過性黒内障といわれる状態では脳梗塞の前兆の可能性があります。両目が同時に一時的に見えにくくなる場合は、、立ちくらみ(低血圧)や全身状態の異常の可能性があります。一時的な症状で一旦治ったから心配ないのではないかと考えられる方が多いですが、急いで脳外科や内科を受診することをおすすめします。
次に心配しなくていい場合です。上記のように視野が欠けたり、暗くなったりしない場合は特に悪い病気ではないことがほとんどです。例外的に閃輝暗点(両目にキラキラが出て、視野が狭くなる)は一時的に視野が欠けて見えますが悪い病気ではありません。見えにくくなった場合に、まばたきや目薬をさすことですぐ見えるようになる場合は、目の表面にメヤニや涙がついていたり、ドライアイで乾燥しているのが原因です。それでもよく見えるようにならないが、時間がたつと見えるようになるのは、疲れ目や目の表面にキズがついたドライアイなどです。その他明るい所や暗い所で見えにくい場合は、白内障やドライアイやその他の目の病気の可能性があります。
眼科では受診した時に出ている症状については診断することができますが、そうでない場合は詳しくお話を聞かないと診断することはできませんし、命に関わる病気もまれにありますので、問診にご協力ください。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善