患者さんの訴えは様々ですが、変なものが見える場合について考えたいと思います。
まず片目だけに見える場合は、目自体が原因の可能性が高いです。見えるものが光っているか、いないかで分けてみます。
まず光っていない場合に最も多いのが飛蚊症です。黒く見えることが多いようですが、色がついていたり、透明と言われる場合もあり、目を動かしたり、明るい所や白い壁を見た時に見えることが多いようです。見えるものの形や数は様々です。目の動きに対して少しゆらゆらゆれているのが特徴です。非常にまれですが、ゆらゆらせず、目の動きに対して完全に固定している場合、網膜や神経の病気のことがあります。片目のみに見える幻覚はほとんど心配ないことが多いようです。
次に見えているものが光っている場合、多いのは光視症です。光が一瞬で流れていくような症状です。目を動かした時や、暗い所で自覚しやすいようです。非常にまれに常に視野の一部がキラキラ光る網膜の病気もあります。
最後は光やライトのまわりに見える輪や光のにじみですが、これは光の乱反射が原因で、乱視などの目のピントの問題や角膜や水晶体の病気、急性緑内障などにみられます。
それぞれの症状の原因については別のブログでお伝えします。次回は両目ともに同じものが見える場合について説明します。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善