院長ブログ

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2022/04/17 まぶたの病気 まぶた(目のまわり)がはれる原因はわかりにくい?

 目のまわりがはれたと眼科を受診された場合に原因がはっきりしないこともありますので、説明します。

 まず目のまわりの特徴について説明します。目は1日約2万回まばたきをすると言われています。そのまばたきをスムーズに疲れずに行うために、まぶたの皮膚は体の中で最も薄くなっています。皮膚は体の中で最大の生体防御(体を外界から守る)と形態保持(形を保つため)の臓器です。まぶたはその皮膚が薄いために、外界や体の中からの影響を受けやすくなっており、炎症をおこしやすく、後ろの皮下組織(皮膚より内側の脂肪やその他の組織)の影響をうけやすく、簡単にはれてしまうのです。顔は人間の体で最も目立つ場所で、しかも目は表情などに非常に大事なため、ちょっとした変化が非常に気になることになります。特に女性は美容上のこともあり、主観的(ご自分にしかわからない)なこともあります。

 次に目のまわりがはれる原因について説明します。目のまわりがはれる原因には、大きく分けて、皮膚+皮下組織(脂肪など)、眼球付属器(まぶたや涙に関係)、目より奥の病気(眼窩疾患)、全身のむくみなどがあります。

 皮膚は非常に薄いので、乾燥しやすく、アレルギーが出やすく、こすったり触ることですぐにはれてしまい、加齢や目をよくさわることでゆるくなりやすいという問題点があります。目のまわりは化粧品(特に金属が入ったアイシャドー)や目薬、最近ではまぶたを上げるテープ、まつ毛を増やすエクステンションなど化学物質など様々な異物(医学的には自分の体以外のこと)の刺激にさらされています。単にコンタクトのつけはずしやアイメイクなどでさわってしまうことで、はれることもあります。さらに加齢や単によく目をこするくせがあるだけでも、皮膚と結合組織(皮膚の下の体の組織を支えている)がさらに薄くなってゆるんでしまうと、目の後ろの脂肪が前に出てくることではれたようになってきます。

 眼球付属器については、もっとも多いのがめいぼで、当ブログの「まぶたの病気」をご覧ください。その他にはかなりまれにはなりますが、涙の通り道の途中(涙嚢)や涙腺(涙をつくるところ)がはれることもあります。

 眼窩(目の奥と骨の間)の病気は非常にまれです。眼球自体は急に形がかわることはありませんので、目がとび出てきた時は、眼球の外の奥に何かできたり、炎症をおこしたりしている可能性があります。甲状腺の病気や副鼻腔炎、腫瘍(できもの)などがあります。これらは眼科にはないMRIなどをすることで診断がつきます。

 全身のむくみについては、まぶたの皮膚はうすいので、体の水分が過剰になるともっとも早い段階でまぶたがはれるという特徴があります。全身のむくみの原因は、単なる体調の問題、腎臓病、心臓病、甲状腺の病気などの可能性があります。

 このように、単にまぶたがはれたといっても、様々な疾患の可能性があり、眼科医が診察してもすぐに原因がわからないことも多いのです。スタッフによる詳しい問診聴取へのご協力とご自分でもよく考えていただきたいと思います。

編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善

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