院長ブログ

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2023/07/17 ドライアイ 朝起きた時に目が痛い,目が開かない、涙が出る、メヤニがたまっている

 

 朝起きたときに、目がかすむ、メヤニが出る、目が痛い、涙が出るなどといわれることがありますので、説明します。

 まず、目の表面には血管がなく、まばたきをすることで、涙が目の表面に行き渡り、涙から栄養をもらったり、涙により異物や老廃物などが洗い流されています。

 寝ている間は、まばたきをしませんので、涙の流れがなく、目の表面の物質のやり取りがありません。そのため、朝起きたときは、目の表面が乾燥したり、異物や老廃物などが残っています。それにより目がかすんだり、メヤニがついていたり、涙が出たり、痛みが出たりします。目をつぶっているから乾燥しないのでは思われるかもしれませんが、まばたきをしないと涙がほとんど出ないので、結局は涙が不足した状態になります。それでも若い方やドライアイのない方は問題ありませんが、ドライアイの方は涙の量も減っていて、中高年の方はまぶたを閉じる筋肉の働きも弱くなっていきますので、より症状が出やすくなります。

 それでも良くならない場合にはまれですがいくつかの原因が考えられます。

 1つ目は薄目を開けて寝ている場合です。普通人の目は閉じると上を向く(ベル現象)ので、角膜(黒目の表面)にキズができることは少ないですが、薄目を開けて寝ていて、しかもベル現象が弱い方は、目の表面が乾燥し、角膜に軽いキズが入ることがあります。軽いキズでも治るまで、通常1日程度かかります。

 次はまれですが、朝目を開けた瞬間に激痛をおこす、再発性角膜上皮はくりです。これは過去にけがなどで黒目(角膜)の表面の薄い皮(粘膜:角膜上皮)がはがれたことがある方が、朝目を開ける瞬間にまぶたといっしょに再び表面の薄い皮がはがれる病気です。これはまた別の機会に説明します。

 最後は非常にまれですが、角膜内皮細胞がとても減った場合です。この細胞は角膜の水分を調整する働きがあり、この細胞がへると、角膜に水分がたまりやすくなり、特に目を閉じた状態(寝ている時)は、目の表面からの水分の蒸発が少なくなることと、空気から取り込む空気がへることで、角膜に水がたまり、目の表面に水ぶくれができます。この水ぶくれにより目がかすんだり、痛くなったりします。これも別の機会に説明します。

 朝起きた時の目の不調は目薬などで改善する場合は問題ありませんが、気になるようでしたら眼科を受診してください。

 編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善

 

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