院長ブログ

DOCTOR’s BLOG

2023/01/22 白目の病気 流行性角結膜炎(はやり目)の問題点とは?

 今回は流行性角結膜炎(はやり目)の問題点について説明します。まず病名についてでが、「角」という字が入っていて、これは結膜炎と共に角膜炎もおこすことがあるという意味です。これは後で説明します。

 原因はアデノウイルスで、アデノウイルスにも種類があって、結膜やのどに炎症を起こしやすいと言われています。のどに炎症をおこす種類があり、咽頭結膜熱(プール熱)といわれています。流行性角結膜炎では、強い白目とまぶたの裏の充血があり、さらさらしたメヤニが出て、耳の前のリンパ節がはれたり、結膜に点状の出血斑をおこすことがあります。手を伝わって簡単に人に感染しますので、流行性という名前がついています。1週間程度の潜伏期間があり発症します。症状のピークは発症後1週間くらいで、このウイルスに有効な目薬はありませんので、治療を開始しても症状は改善せず、10日程度で治ります。

 

 この結膜炎の一つ目の問題は、治りかけの時に黒目(角膜)ににごりが出て、視力が下がることがあるということです。にごりが出たほとんどの方は自然に消えていきますが、ひどい方では数年にわたってにごりが消えない場合があります。大人であればそれでもほとんど問題ありませんが、視力の発達段階にある子供の場合は角膜のにごりが強い時期が続くと、弱視(メガネなどでも視力が1.0未満)の原因となることがまれにあり、注意が必要です。弱視になると将来視力が重要な仕事(運転関係、警察、消防など)につくことができなくなる可能性があります。

 二つ目の問題は、周りの人に簡単に感染するため、学校伝染病に指定されていて、医師の指示があるまで登校禁止となることです。治るまでに通常10日間くらいかかりますので、片目に発症してから、時間差で反対の目にうつった場合、2週間以上学校を休むことになることがあります。手を介して人にうつりますので、まず目のまわりを触らないこと、触ったら手を洗うこと、手で触ったところはアルコールなどで消毒すること、タオルを他の人と共有しないこと、入浴は一番最後にすることなどが重要です。

 流行性角結膜炎と診断されたら、治った時点でもう一度眼科を受診していただくことが重要です。

 編著 下関市 まつもと眼科  眼科専門医 松本博善

WEB順番受付はこちら
WEB順番受付はこちら