以前のブログで、眼圧が高いのに緑内障になっていない状態を高眼圧症というとお伝えしました。今回は眼圧の測定方法によっては、本当は眼圧が正常なのに、高眼圧症と診断されてしまう場合があるということについて説明します。
まず眼圧の測定には主に三種類の方法があります。
1、ノンコンタクトトノメーター(ノンコン)という機械が最も一般的に使われています。これは目に空気を当てて角膜(黒目)の凹み具合をみることで、眼圧を推定するという方法です。問題点としては、目が非常に敏感な方の場合、目に力が入ってしまい、実際より高い値が出てしまうことがあります。
2、アプラネーショントノメーターといって、一般の眼科で普及している眼圧測定の方法で最も正確といわれている方法です。これは医師が通常の診察に使っているスリットランプ(顕微鏡の一種)を使う方法です。目薬の麻酔をして、直接目の表面に機械(プラスチック)を当てて測定します。当院では忙しい外来では時間がかかるので、必要と考えられる場合にしかしていません。
3、アイケアという近年よく使うようになった機械で、爪楊枝の先が丸まったようなものを直接黒目に軽く当てて眼圧を測ります。これは空気でびっくりすることもないし、触っている感じもあまりないので、ノンコンで上手に測れない人や子供でも測ることができ、大変重宝しております。しかし先端恐怖症の方は測ることができません。
眼科の外来ではノンコンのみで測定していることが多いと思われます。もしかしたら本当はそれほど眼圧が高くないかもしれませんので、気になる方は別の方法での測定を先生に希望してみて下さい。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善