まぶたのぴくぴく・けいれんをおこす病気について説明します。
まぶたのけいれんをおこす病気には主に3種類あります。その見分け方は、片目か、両目か、上下のまぶたが同時にけいれんするかどうかが重要です。
まず一つ目は、片目で上下が別々にけいれんする場合です。眼瞼ミオキミアという病気の可能性が高いです。眼瞼とはまぶたのことで、ミオは筋肉、キミアは動くという意味です。まぶたのけいれんのほとんどがこの病気です。原因は不明ですが、睡眠不足、過労、ストレスなどが引き金となっておこることが多いとされています。ほとんどの方で3週間以内で治ります。それ以上の期間治らなかったり、非常に気にされる場合は、ボトックスという筋肉を麻痺させる注射を打てば改善を見込めます。しかし、これは保険適応外の治療となりますので、おすすめしていません。生活を見直して、気長に治るのを待つことをおすすめします。
2つ目は、片目で上下が同時にけいれんする場合です。片側顔面けいれんという病気の可能性があります。けいれんする範囲はまぶたが主な場合や顔全体におよぶ場合があり様々です。この疾患の原因は、顔面神経という顔を動かす神経がすぐ近くを走る動脈に圧迫されることです。動脈は脈とともに太くなったり細くなったり変化するので、症状が出たり止まったりを繰り返します。根本的な治療は手術ですが、先程お伝えしたボトックス注射を保険適応で受けることができます。
3つ目は、両目の上下が同時にけいれんする場合です。眼瞼痙攣(けいれん)という病気の可能性があります。実際にはけいれんというより、自分の意志で目が開けられなくなったり、まぶしくなったりといった症状が前面に出ることが多いです。この病気については別のブログで説明します。
心配な場合は是非眼科医を受診してください。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善