院長ブログ

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2022/06/19 斜視と複視 ものが二重に見える「複視」とは?

 今回はものが二重に見える複視の種類とその原因について説明します。

 まず複視の種類には、片目だけでものが二重に見える単眼複視と、両目で見たとき時になる両眼複視があります。この二つは全く治療方針がことなりますので、正しく判別することがとても重要です。

 単眼複視には、メガネやコンタクトレンズで二重がなくなる目のピントが原因の場合と、それ以外の原因があります。メガネやコンタクトレンズで二重がなくならないものには、白内障などがあります。両眼複視は、斜視が原因です。斜視の原因については別のブログで説明します。

 

 複視で困る場合が二通りあります。一つ目は患者さんがものが二重に見えるとはっきり表現してくれない場合です。患者さんも初めての感覚なので、表現するのが難しいようです。かすむ、ぼやける、見えにくい、見え方に違和感がある、ふらつく、気分が悪い、歩けないなどの表現をされることがあり、医療者側もピンと来ず、複視を見逃してしまうこともありえます。特に斜視を調べる眼位検査は通常の眼科の検査では省くことも多く、複視を疑った場合にしか眼球運動検査(目の動きを細かく調べる)をしませんので、見逃してしまうことがあります。二つ目は単眼複視か両眼複視なのかがはっきりしない場合です。患者さんの自覚症状が頼りですが、片目を隠した状態で症状がなくなる両眼複視か、片目を隠しても症状がなくならない単眼複視のどちらなのか、はっきりわからないという患者さんも多いです。結局眼球運動検査をしてやっと判明したということもあります。

 単眼複視であればそのままにしていても問題ないですが、両眼複視の場合はまれに命に関わる病気もありますので、特に急にものが二重に見えだした場合は、急いで眼科を受診していただけたらよいと思います。

 編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善

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