今回は、排水口の目詰まりをへらす手術を説明します。
最近、線維柱帯(排水口の目詰まりを起こしやすい部分)を広げる手術にも様々な方法が出てきていますが、今回は今のところ最も有望で費用が低く、当院で行っている線維柱帯切開眼内法を説明します。元々線維柱帯を切開する手術はありましたが、白目を目の外から切ってする負担の大きい手術しかありませんでした。近年、線維柱帯を直接見ながら、目の中からフックで切開する方法が開発され、手術の負担がかなり軽減しました。手術時間も20分程度と短くなりました。当院での手術の結果も、一般的に言われているのと同じように、効果がない方が2割程度おられますが、非常に高い効果がある場合もあります。
以前は次回お伝えするバイパスをつくる手術が主流でしたが、今回お伝えした手術ができたことで、より早い段階で手術できるようになり、リスクの高いバイパス手術をせずにすむ患者さんも増えています。
次回は、バイパスをつくる手術について説明します。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善