今回は、白内障の手術はいつする?の「視力編」です。
以前、どれくらいの視力があれば生活できるのかについてお伝えしました。その復習ですが、良いほうの目で、メガネをかけた状態で、どれくらいの視力があれば、生活に困らないかを表にしています。
人によってどれくらいの視力が必要かは異なります。精密な視力を要する仕事や趣味をお持ちの方は1.0以上必要でしょう。車の運転もなく、字を読んだりすることのほとんどない方は0.5でも困らないかもしれません。
ちなみに、当院で手術にいたった患者さんの視力を調べてみました。私も意外でしたが、0.3以下が最も多く、0.4~0.6がその次、1.0以上で手術する患者さんは少ないという結果でした。当院では医師から手術しましょうとは言いません。今回お話ししているような、患者さんの今の白内障の状況をお伝えし、ご希望があれば手術をするというスタンスです。
ですから、他の施設に比べて、手術時の視力は低い方かもしれません。
ただ一番お伝えしたいことは、この結果のように人それぞれ手術にいたる視力は違い、視力がいくらだから手術しないといけないといった単純なことではないということ、知人や医師にすすめられたからという他人任せにしてはいけないということです。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善