院長ブログ

DOCTOR’s BLOG

2020/02/18 白内障 白内障は両目とも手術しないといけない?

 白内障は両目とも手術しないといけませんか?と聞かれますのでお答えします。

 通常白内障の手術は、特殊な場合(全身麻酔での手術など)を除いて、同じ日に両目の手術をすることはまれで、当院では片目を手術したのち、1週間後に反対の目の手術を行っています。

 両目の白内障の程度にあまり差がない場合は、両目の手術を同じ時期にしますが、両目の白内障の程度に差がある場合には、選択肢があります。一つ目は白内障が進んだ方の目の手術のみをする、二つ目は白内障が進んでいない方の目が見えて困っていないのであれば、両目とも手術をしない、三つめは両目とも手術をするというものです。どの選択肢を選ぶかは医師によって考え方が大きく異なりますが、当院では白内障が軽いのであればなるべく手術しないという方針にしていますので、白内障が進行した目のみ手術をしています。当院で統計をとると、片目のみ手術をした患者さんが、両目とも手術をした患者さんの約二倍になっています。医師によっては両目をいっしょにした方が患者さんの負担が少ないだろうと考えている場合もあります。

 しかし、両目の白内障の程度に差があっても、両目とも同じ時期に手術した方がよい場合もあります。一つ目は強度の近視や、強度の遠視のために、片目だけ手術をするとピントのバランスが悪くなってしまう場合です。コンタクトレンズでは問題ないのですが、眼鏡の場合は左右の目の度数(近視や遠視)の差によりものの大きさが違って見えるため、眼鏡をかけるのがきつくなってしまいます。二つ目は、多焦点レンズを希望される場合です。多焦点レンズは、正直に言って片目だけ手術をした場合は見え方がはっきりせず、両目とも手術することで、両目の視力を合わせてはじめてよく見えると言えるからです。

 逆に、両目の手術をしない方がいい場合もまれにあります。一つ目は、片目の手術が終わった段階で、患者さんが何らかの不満を持っている場合です。その場合反対側の目の手術をすると、不満が倍増してしまうこともありうるからです。そうならないように、その不満が解消するまでは反対側の手術を行わない方がよいでしょう。二つ目は、斜視の場合です。斜視があると目の向きがずれているので、両目ともによく見えるようになると、ものが二重に見える症状が悪化する場合があります。これは手術前には医師も気付かない場合があるので要注意です。

 このように人それぞれ状況が違いますので、医師とよく話し合って決めてください。

    編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善

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