緑内障の目薬を変更したり,増やしたりする場合について説明します。
まず、目薬の変更について説明します。緑内障の目薬は副作用(前回のブログの表)や目に合わない状況(副作用ではないが、患者さんが目薬をさしたくなくなる原因)がおこる場合もあるので、基本はまず1種類の目薬を処方して、数か月様子をみます。その後、眼圧が下がっていることが確認できれば、その目薬を続けていきます。眼圧が下がらなければ、別の目薬に変更します。目薬は、血圧の薬と同じように、止めてしまうと、また眼圧が上がってしまいます。
緑内障の目薬を増やしていくかどうかについては、実際は目標眼圧と実際の眼圧の比較、視野検査の数値の変化(グラフ)、患者さんの余命などを考慮して決定しますが、今回は簡単に説明します。
眼圧が安定していれば、3か月以上その目薬を続けて、目標眼圧に到達しなければ、目薬を増やしていきます。さらに視野検査を3~6か月ごとに行い、数年の経過をみながら、視野が悪化する場合にも目薬を増やしていきます。目薬は、1本をさすごとに5分の時間をあけないといけないので、きちんとさせるのは3~4本が限界と言われています。限界の本数をさしても眼圧が下がらない場合や視野の悪化が止まらない場合は、レーザー治療や手術治療ということになります。
次回はレーザー治療について説明します。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善