以前ブログ「遠近両用メガネは疲れやすい?」で、メガネの種類と使い方についてお伝えしました。今回はその続編で、メガネのレンズ自体の性質のために起こる疲れ目や見えにくさについて説明します。
疲れにくいメガネのレンズとは、ピントがきちんと合っていること、像のゆがみが少ないこと、視野のゆれが少ないことなどの条件が重要です。条件を悪くする原因には以下のものがあります。
・レンズの度数の強さ
・遠近両用などの複雑なレンズデザイン
・レンズ内の度数の強さの差
・レンズの性能
・レンズのフィッティング(メガネと目の位置関係)
レンズは、度数が強くなればなるほど、遠近両用などピントが複数になればなるほど、レンズ内の度数の強さの差が大きくなればなるほど、像のゆがみや、視野のゆれを感じやすくなります。例えば、本を読むだけなのに、遠近両用メガネを使えば、当然疲れやすくなるのです。遠近両用メガネは便利ではあっても、必ずしも快適なものではないということです。この問題を解決しようとすると高性能のレンズを購入するという選択肢があります。このレンズの性能の違いは、度数が弱く、単焦点であればほとんど感じられないかもしれませんが、強い度数や遠近両用のレンズであれば、かなり違う場合もあります。さらに、レンズ自体が良くても、レンズのフィッティング(レンズと目の位置関係)が悪いと、見ようとするものに対してピントが合わなくなったり、ゆがんで見えたりするので、疲れ目の原因になります。
このように、メガネのレンズを選ぶ際には、ご自分の生活でどのように目を使っているかを再確認し、万能なメガネのレンズはないことを忘れないようにしてください。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善