黒目に白目がかぶさってきたと受診される患者さんがおられますので、説明します。
黒目に白目がかぶさってくる病気にもいろいろありますが、今回最も多い「翼状片」について説明します。翼状片とは、主に目頭側(鼻側)の黒目の縁から、白目(結膜)が黒目の中に入ってくる病気です。紫外線が原因と言われていて、以前ブログで取り上げた「瞼裂斑」と関係があると言われています。普通は加齢とともに増えていき、特に海や雪山などの紫外線が特に強い屋外で、長時間過ごすとなりやすいと言われています。普通は40代以降に起こることが多いですが、非常に長時間屋外で過ごすスポーツ少年の中には10代でも見かけることがあります。黒目の異常とともに、白目が充血するので、充血が気になって受診される方もおられます。年単位で非常にゆっくり進行しますので、年に1,2回くらいの間隔で受診されている方が多いです。
治療は手術しかなく、お薬で治すことはできません。進行予防の目薬はありますが、それよりも紫外線を浴びないことが最も重要です。ほとんどのメガネには紫外線カットが入っていますので、特に色の濃いサングラスでなくても効果があります。コンタクトレンズはそれ自体が翼状片の原因になっているとも言われていますが、ソフトコンタクトレンズは黒目を完全におおってくれるので、紫外線カットの入ったものを使えば、予防ができます。あとはつばの長い帽子をかぶることをおすすめしています。
次回は手術について説明します。
編著 下関市 まつもと眼科 院長 眼科専門医 松本博善