糖尿病、緑内障などの方から、どうもないのに通院しないといけませんか?と聞かれることがあります。
目の病気について自覚症状からみた場合、三通りの病気に分けられます。ひとつ目は、自覚症状が出る前に見つけて、悪化を予防する病気です。緑内障と糖尿病網膜症は、病気がかなり悪化してからしか自覚症状が出ません。しかし進行すれば失明する病気ですので、自覚症状がなくても通院が必要です。二つ目は、初期症状が出たら通院する病気です。加齢黄斑変性はものがゆがんで見える、網膜はくりは黒いものが飛ぶ症状(飛蚊症)などの症状が出てからの通院でほぼ問題ありません。ただし、それらの病気はなりやすい人の特徴がありますので、少しは予防が可能です。三つめは、症状が気になるなら通院する病気です。白内障は見えにくいなどの自覚症状がなければ、治療の必要はありません。ドライアイやアレルギー性結膜炎や涙の病気は、ほとんど失明することはありませんので、自覚症状を気にしないなら、通院する必要はありません。
このように、目の病気といっても自覚症状に対する対応は様々ですので、眼科に通院されている方は主治医に、通院している意味をよく聞いてみてください。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善