患者さんから、何歳で手術をしたらいいですか？と聞かれることがあります。これまでお伝えしてきたように、白内障は個人差がとても大きいので、人それぞれとしかお答えできません。それでは答えになっていないので、当院の令和元年と、全国の平成２７年に手術をされた患者さんの年齢を調べてみました。
最も多いのが70代で、次に８０代、６０代と続きます。若い方で手術をされる場合は、アトピー性皮膚炎がある方は２０代で手術をすることもあり、強度の近視、糖尿病、ステロイドを内服されている患者さんは、通常より若い年齢で手術をする場合が多いです。
７０歳間近の患者さんは、医療費の関係で、７０歳になってからの手術をおすすめする場合もありますし、１００歳近くで手術をすることも普通にありますので、白内障の手術について年齢を気にする必要はありません。
ただし、手術をするには、寝たきりや強い認知症などがない状態、つまりご自分である程度の生活ができる必要があります。それができない場合に手術を希望される方は、ご家族の全面的なサポートが必要になります。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善
