院長ブログ

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2020/04/16 白内障 白内障手術後のピントで遠く、中間、近くの意味とは?

 白内障手術の時、手術後の目のピント(焦点距離)を患者さんのご希望の距離にだいたい合わせることができますが、なかなか理解しづらいようですので説明します。

 白内障手術をされる患者さんの多くの方が使用される単焦点レンズの場合、手術後の目のピントは一点に合うだけで、それ以外の距離はピンぼけになり、老眼と同じ状態になります。以前当ブログ「遠くって何メートル?」でお伝えしたように、目のピントはメガネと同じように、遠距離(遠  く)、中間距離(中間)、近距離(近く、手元)の3つにおおよそ分けられます。この3つから選んでいただくことになりますが、基本的なポイントが3つあります。

  

  

   

 

   

 一つ目は、眼科での「遠く、中間、近く」という言葉の意味を正しく理解してもらうことです。患者さんによっては、言葉のイメージとして、遠くは遠くの山の景色、近くはテレビなどと誤解される場合がありますので、まずその誤解を解かなければなりません。眼科で遠くとは、数メートル先から無限に遠くまでを含みます。中間とは1メートルから50センチメートルくらいです。近くとは、手元の字を見るキョリです。

 二つ目は、メガネをかけないで見たい距離を選んでもらうことです。メガネをかければどの距離でも見えますので、メガネをかけたくない場面を想像してもらうことが大事ですが、想像することはかなり難しいようです。

 三つ目は、手術後も、元々の目のピントに近い状態に合わせるのが無難で、生活しやすいと考えられることです。目が良かった方は、遠くにピントを合わせ、近くは老眼鏡をかけてもらい、元々近視の方は、メガネを外して手元を見る習慣があるので、近くに合わせることで、手術後の見え方にすんなり馴染まれる方が多いようです。

 次回は、さらに特殊な場合の注意点についてお伝えします。

    編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善

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