<その2>でお話ししたように、白内障の手術は軽いうちにすれば少し見え方が改善し、強くなってから手術すればものすごく見えるようになることが多いです。
白内障のにごり方は様々で、視力に大きく影響があるにごり方が主に3つあります。人それぞれにその複数のにごり方が合わさって、見え方に影響しています。
白内障のにごり方は人の顔のように個性があり、患者さんがどのように見えているかは、実は医師からもわかりません。よく患者さんに白内障の程度は10段階でどれくらいですか?と聞かれることがありますが、数字で表すのは難しいです。
当院では、そろそろ白内障手術をしてもいいかなという時期の白内障のにごりを「中くらい」として、患者さんに白内障のにごりの程度をお伝えしています。主観が入りますが、「軽い」「軽い~中くらい」「中くらい」「中くらい~強い」「強い」の5段階にしています。実際に統計を取ってみると、「中くらい」で手術することが最も多く、次が「軽い~中くらい」となっており、「軽い」と「強い」でも手術をされている方もおられます。 この白内障のにごり方の視標を患者さんにお話しして、手術を決める際に参考にしていただいています。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善