ドライアイの症状は何でもあり?<診断と症状>


ドライアイについて説明します。まずドライアイとは直訳すると目の乾燥です。
目の表面は黒目(角膜)と白目(結膜)からなっており、それらは粘膜(体の内壁の常に粘液で湿っている組織)からなっています。粘膜はその表面から粘液がなくなると、つまり目でいえば目の表面が乾燥すると、その働きが損なわれ、様々な症状が出ます。角膜の表面には、異物が入った時にすぐわかるように、皮膚の500倍の神経細胞があります。そのため、目の表面が少し乾くだけで、簡単に目の不快感をおこしてしまいます。
2016年に改訂されたドライアイの診断基準は、
(1)眼不快感や視機能異常などの自覚症状
(2)涙液層破壊時間が5秒以下
の両方を満たすこととなっています。
(1)について、眼不快感には、
目が乾燥する 目がゴロゴロする 目に不快感がある
目が痛い 目が赤い 朝目が開けにくい チクチクする
目がしょぼしょぼ(くしゃくしゃ)する
白っぽいメヤニが出る 目の奥が痛い 異物感がある
目が重たい ネチャネチャする 目がかゆい 涙が出る
などがあります。
視機能異常とは、見え方に異常を来たすという意味で
目がかすむ 二重に見える まぶしい などがあります。
(2)の涙液層破壊時間というのは、目の表面に特殊な試薬をつけて、まばたきしてから目の表面がどれくらいの時間で乾燥するかを見る検査です。つまり、目の一部が乾燥してくるまでが5秒以下であればドライアイということになります。正常値は10秒以上ですが、実際この検査をドライアイの症状がない患者さんにしてみても多くの方で異常が出てしまいます。ちなみにこの検査を自覚症状(まばたきせずに何秒目を開けていられるか)でしてみると10秒以下の場合がドライアイの可能性が高いと言われています。
このことからお分かりのように、ドライアイの症状はまさに何でもありの状態で、しかも診断のための検査(涙液層破壊時間)もあてはまりやすく、ドライアイと診断することのハードルはかなり低くなっています。実際ドライアイの有病率(病気を持っている人の割合)は、男性が17%、女性が30%という高い割合になっています。
ですので、何らかの症状で眼科を受診された患者さんの多くの方に、ドライアイという診断がついてしまうことも多く、もしくはとりあえずドライアイの治療をしてから考えましょうということになってしまいます。しかしドライアイと診断された患者さんの中には実は治りにくい別の病気が含まれている場合もあり注意が必要です。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善
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