院長ブログ

DOCTOR’s BLOG

2022/04/03 小児の病気 現在の近視の状況

 現在の近視の状況について説明します。まず近視については、ブログ「目のいい人と悪い人の目の「目の形」の違いとは」でお伝えしたように、目の成長と共に目の奥行が長くなることがほとんどの近視の原因だとお伝えしました。目の形は体の成長のひとつとして進むので、近視は年齢と供に進みます。

 まず日本での近視の状況をみていきます。まず子供の視力について説明します。視力については、メガネをかけない遠方(検査では5~3m)の視力を裸眼視力といいます。最もピントがあったメガネをかけた視力を矯正視力といいます。視力は1.0以上が正常とされていて、子供の場合、裸眼視力が下がる原因のほとんどが近視ですので、裸眼視力1.0未満の割合の変化を図に示してみてみます。幼稚園から高校までの世代でこの40年で徐々に近視の割合が増えているのがわかります。

 次に近視の進み具合と年齢についてみていきます。6歳までの子供はほとんどが遠視ですが、7歳くらいから近視になる子が出てきます。図のように7,8歳くらいの早い時期に近視になった子は強い近視になる可能性が高く、12,13歳くらいで近視になった子は軽い近視にとどまることが多いことがわかっています。

 近視の何が悪いのかというと、メガネやコンタクトが必要になることと思われている方が多いと思いますが、それだけではありません。近視があると、年をとってから視力を損なう目の病気(メガネなどをしても見えない状態)になるリスクが高くなるということがわかっています。近視の合併症として、近視性黄斑変性(ものを見る中心が見えなくなる)、白内障(通常よりも若い年齢でなる)、緑内障(視野が狭くなる)、と非常にまれですが斜視があります。これらの合併症は、軽い近視でも少しリスクが上がり、強い近視になるとさらに危険性が上がることがわかっています。

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