目が原因の眼精疲労(疲れ目、目の奥の痛み、頭痛、首のこり、肩こり)には、主に目のピントの問題、目の向きの問題、それ以外の目の病気(ドライアイ、緑内障など)があります。
目のピントの問題は、年代別に主な原因が変わります。30歳未満の若い世代では、近視のメガネ・コンタクトの過矯正、レンズ中心のずれによる斜視といった、メガネ・コンタクトの不適切な処方が原因となることが多いです。また、ピントの左右差が大きい場合にメガネで矯正すると、左右でのものの大きさが違ってしまう(不等像視)も原因となります。30~39歳に多い問題は、乱視です。乱視には軸(乱視が強い角度と弱い角度)があり、この年齢くらいからその角度がかわっていくので、慣れないために眼精疲労の原因となります。40~49歳までは老眼です。40歳くらいから老眼を自覚する方が増え、60歳くらいで完全な老眼(調節力がほとんどない状態)になります。50歳以降では老眼による眼精疲労はかなり減るので、老眼に慣れたり、老眼鏡で対応したりしているのだろうと考えられます。老眼は逆らっても良くなることはないので、素直に受け入れる方が良いようです。
目の向きの問題と、それ以外の目の病気については、次回お伝えします。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善