今回は、近視のメガネの疑問にお答えしたいと思います。
〇近視とは以下のことを満たした状態
・2mくらい先からが裸眼では見えにくくなった状態。
・軽度から中くらいの近視までは手元30cmくらいで良く見えて、強度になる
と30cmよりもさらに近づけないとピントが合わない。
・メガネやコンタクトをかけることで遠くも良く見える。
〇近視のメガネはいつからかけるか?
最も視力を要する黒板の字の判別ができなくなったら、メガネをかけるのがよいと思われます。教室の後ろの方なら、小学校低学年までなら0.5、高学年以降なら0.7程度が必要になります。一番前の席なら0.1でも見えるという子もいますので、どうしてもメガネが嫌だというお子さんには、席を前にしてもらうことをおすすめしています。しかし最近学校の先生から、黒板に近い前の席を希望する生徒が増えすぎて、対応に困っているとの話を聞くこともあります。
〇メガネをかけると近視が悪化する?
メガネをかけると近視が悪化するというのは現在では否定されています。ただし過矯正(実際よりも強い度数)のメガネは近視を悪化させると言われています。過矯正のメガネは適正なものよりも遠くが見えやすいと感じることと、子供さんは調節力が強いため検査の機械で近視の度数を測ると実際の度数よりも強い値が出ることが多いことにより、過矯正のメガネを処方されてしまう場合があるようです。
〇近視のメガネは弱い方がいいか?
以前は弱いメガネの方が近視が進みにくいと言われていましたが、近年の研究では、度のあったものの方がよいというのが優勢です。
〇メガネのかけ外しはいいのか?
先ほどお伝えしたように、近視は黒板などが見えず、手元は見えるので、手元だけを見る時はメガネははずしても問題はないと思われます。近視の悪化については、かけ外しをする場合とかけっぱなしの場合のどちらがいいかははっきりしていません。ただし、強度の近視の子供さんは、30cmよりも近づかないと見えないので、姿勢をよくするために、メガネをかけて30cm以上の距離をとることをおすすめしています。
〇メガネの作り替えの目安の時期は?
メガネには度数をかえることができる保証期間があるので、急に近視が進行する時期には、保証期間内にもう一度度数を見直すこともおすすめしています。多くの子供さんは1~2年で作り直しているようです。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善