これまで眼精疲労についてお伝えしてきたことをふまえて、実際に気を付けるべきことをお伝えします。まずパソコン作業からです。パソコン作業で眼精疲労の原因となるものには、主に目自体と姿勢に関することがあります。
目については、一つ目に目自体への負担があります。画面から40cm以上の距離をとること、画面に他の光が映り込まないこと、画面、キーボード、手元の書類が適切な明るさであること、休憩をして他の距離(遠くが良い)にピントを合わせる時間をとることなど、お伝えしてきた通りです。
二つ目は、ドライアイへの対処です。画面を目線より少し下にすることにより目の開きが小さくなる、空調の風が直接目に当たらないようにする、まばたきをこまめにすることで、ドライアイの症状をへらすことができます。場合によってはドライアイの目薬も必要かもしれません。
次に姿勢についてです。同じ姿勢をとり続けないこと、重い頭を支えるための負担を減らすには首から背中までまっすぐにすること(モニターは目線のやや下、首が曲がらない程度、椅子に深く腰掛け、背もたれに背を十分にあてること)、体重を分散して支えるために足を床にべったりつけることなどが重要です。首や肩への負担をへらすために、腕を空中に浮かせず、机か椅子の肘置きにいつも置くようにしてください。さらに細かいことをいうと、マウスとテンキーを使う時には、どうしても腕が空中に浮いてしまうので、それらをなるべく使わない工夫が必要です。私自身は数字の入力が少ないので、テンキーレスキーボードに変えて、マウスは使わざるをえないので、キーボードに近づけて使うようにしています。
もうお気づきと思いますが、ノートパソコンは、目線がかなり下がり、首が曲がってしまうので、おすすめできません。出先では致し方ないと思いますが、デスクで作業する場合は、モニターとキーボードはどちらかを外付けにして、分離して使うようにすると、姿勢の自由度が増します。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善