とても身近で、目薬で視力が回復する可能性がある病気に、ドライアイがあります。
まず涙のはたらきから説明します。目の表面(角膜)はまばたきによりいつも涙がのっかっています。角膜には血管がないので、涙から栄養をもらうことで透明な状態を保っています。さらにレンズとしての性能も涙が角膜の全体にいきわたった状態で発揮されます。ドライアイとはその涙の量が減ったり、質が悪くなったり(乾きやすい)する状態のことをいいます。
涙が不安定になったり、角膜にきずができたりすることで視力が下がっているドライアイでは、適切な目薬をさすことで、視力を回復させることができる可能性があります。ただし目薬をさし続けることが必要になります。
これまでお話ししてきたように、一般の方の多くに当てはまる「視力を簡単に回復させる」方法はほとんどないのです。ただし、目に病気にかかった場合の視力の低下は回復できる可能性があるので、視力が落ちたと感じた場合にはまず眼科を受診してください。
編著 下関市 まつもと眼科 眼科専門医 松本博善